Growth by CaseStudy⑦「グロース開発成功事例インタビュー〜ふとしの部屋〜」

本日のGrowth by CaseStudyは、昨年2月にチームビルディングによる開発事例として紹介させていただいた“ふとしの部屋“アプリに関して、リニューアル後のグロースを実現させた事例のご紹介となります。

今回、”ふとしの部屋”アプリを提供する株式会社アクアスター企画営業部のアプリ担当者である本多様と、弊社bravesoftでアプリグロースマーケターとして活躍する外丸が対談を行い、ストア評価を劇的に向上させたグロース開発に関して振り返っていただきました。

^{右：株式会社アクアスター　本多様}
^{左：bravesoft株式会社　外丸}

正直、アプリに対する印象は”無”でした（笑）

ー本日は宜しくお願い致します。まず、御社の事業内容をご紹介いただけますでしょうか？

本多様「弊社アクアスターは、イラスト制作・ビジュアル制作をメインにしている会社であり、デジタルソリューションとしての広告の制作・企画などを幅広く行なっております」

ー続いて本多様の業務内容をお聞かせいただけますでしょうか？

本多様「私は企画営業部に所属しているのですが、私が行う業務は通常の営業というよりは新規事業開発がメインとなっております。その中でeスポーツなどの業務を中心としているのですが、今回縁あって”ふとしの部屋”の担当となりました」

ーありがとうございます。それではまず、”ふとしの部屋”アプリについてご紹介いただけますでしょうか？

本多様「ふとしの部屋は、“イケメン育成ダイエットアプリ”と呼んでおり、ぽっちゃりなキャラクター”ふとし”をイケメンに育てるべく、ユーザーも一緒にダイエットができるアプリとなります」

ー本多様が担当となった経緯は、どのような経緯だったのでしょうか？

本多様「元々の前任の担当者が管理職となった為、現場で手を動かすことが難しくなったのが理由ですが、“ふとしの部屋はもっと伸ばせる”という意見もあり担当することとなりました」

ーそうして本多様が担当となったのが去年2021年夏と聞いておりますが、同時期にbravesoftの外丸さんも”ふとしの部屋”のグロースマーケターとなりました。

外丸「2021年夏の体制変更で、私がグロース開発を中心に行う部門に異動となり、そこで初めて本アプリのグロースを任せられることとなりました」

ーお互いが奇しくも、その同時のタイミングで初めて”ふとしの部屋”というアプリを意識するようになったと思いますが、当初の印象は覚えておりますでしょうか？

本多様「かなり昔のアプリだったので、担当するまではアプリに関する印象はありませんでした。”無”ですね（笑）半年前の２月にアップデートをしたことも把握しておりませんでした」

外丸「私は社内でアップデートをしたことは知ってはおりましたが、担当でもありませんでしたので、深くアプリを使ってみることは無かったですね」

本多様「その上でアプリ詳細を知り、正直“中途半端”という印象を持ちました。体重計測をするダイエットアプリとしては体重記録機能の使いにくさなど、細かいところが充分でなく、キャラクター育成アプリとしては課金も無いのでできることが限られており…アプリ自体の魅力や、ふとしの魅力を充分に表せていないという印象がありましたね」

外丸「私も同じような印象でした。しかしながら、任せられた以上はやるしかないと思い、やるべきこともたくさんあると思いましたので、まずは手探りでグロースの可能性を探るところからスタートしましたね」

ストア評価が2.8から”4.5″へ急上昇

ーグロースに関するMTGはどのような形式で進めていったのでしょうか。

外丸「週に１度、定例MTGを行なっておりました。当初はbravesoft側から、アプリ改善の提案をお出しさせていただいておりましたね」

本多様「色々と頂いた中で、弊社の中でも予算の兼ね合いなどもあり、優先順位を迷っておりました。クリエイターサイドからは”ダイエット機能より、キャラクターを活かそう”という意見が多かったのですが、私としては“まずは使いにくい所を、使いやすくする事”が第一歩だと思ったので、どちらかというとダイエット機能の改善から着手すべきと判断し、その周辺からスタートしましたね」

ー外丸さんはどのような視点で、グロースに関する提案を行っていたのですか？

外丸「まずは実際に私が操作して、気になる所をピックアップさせていただきました。個人としては“ストア評価の向上”をまずは優先して対応すべきと考え、そこからすり合わせをさせていただきました」

ーストア評価は当時、どのようなスコアだったのでしょうか？

本多様「当時、2.8というスコアでした」

ーそのストア評価を上げるために、外丸さんはどのような提案をしたのですか？

外丸「まずは地道に、UI改善など使いにくい所を使いやすくする細かな改善から行いました。そして少しずつですが評価が上がってきたタイミングで、“アプリ内レビュー”を提唱させていただきました」

ーアプリ内レビューとは具体的にはどのようなものでしょうか？

外丸「皆さん一度は見たことがあると思いますが、AppStoreやGoogle Play Storeなどのアプリストアからアプリを評価するのではなく、アプリを使用している際にポップアップが表示されて、アプリ内から直接評価できる機能ですね」

本多様「”ユーザーに評価を求めるタイミングも工夫が必要”というポイントを基に、しっかりアプリを使ってもらい、アプリの良さをわかってもらえたタイミングでポップアップを表示させるというご提案を外丸さんからいただきました。ふとしがレベルアップするスピードを早める改善と一緒にポップアップを出す機能を実装したのですが…結果、これが大当たりでした」

外丸「そしてストア評価が高まり、1週間で数十件の好意的な内容を中心としたレビューをユーザーより頂けるようになったタイミングで、“ストア評価リセット”を提案させていただきました」

本多様「評価リセットに関しては、もう少し前のタイミングでも提案をいただいていたのですが、我々の社内でも”もう少し慎重にするべきだ”という意見があり一旦はペンディングしていたのですが、このタイミングでやるしかないと決断し、こちらも結果としては大成功で、ストア評価が最大で4.5まで向上しました（2022年6月1日現在は4.4）」

ーストア評価リセットを行うと、どの内容がリセットされるのですか？

外丸「ユーザーから寄せられたレビューが見れなくなり、平均ストア評点が一旦ゼロに戻ります。しかしこれまでの不具合の改修や、ユーザーが喜ぶ機会を増やし、アプリ内レビューの導入で好意的な評価と意見が毎週適量に寄せられるタイミングだったので、マイナスをゼロにして、ゼロをプラスにしようと考えました」

本多様「元々、弊社のリセット慎重派の意見も、”ユーザーから集めた評価が消えるのは見栄え的に良くない”という意見だったのですが、今も良い流れが来ており、リセットしてから現在まで428件の評価が届いておりますので、英断だったと思っております」

ーストア評価向上に続いて、アプリグロースの指標となるMAU（Monthly Active User）に関して向上に向けた施策を説明いただけますでしょうか

本多様「MAUに関しましては、昨年度はMAU10,000達成を目標としておりましたがギリギリ実現できませんでした。しかしながら今年4月の段階で10,000を越えており、着実に増えております」

外丸「MAUに関しては、特別に何かの施策を行ったわけでは無いのですが、純粋にアプリが使いやすくなり、楽しくなったことで離脱者が減り、増えたと思っております」

ー結果として、ダウンロード数も向上に繋がったとのことですが、この点に関してはいかがでしょう？

外丸「ASO対策は効果があったと思っております。不要なキーワードの見直しや、タイトルの調整などで順位など表示位置などが変わり、より多くの人に見られるようになった事は要因と思います」

本多様「評価が上がったタイミングで露出も増えたので、ダウンロード向上にも繋がったと思っております。すべて連動していると思っております」