【コロナ後のイベントはどうなる?】 リアルに戻るイベント or オンライン化するイベント #28

ようやく「ワクチン」という希望の光が差してきた今日この頃、つよつよビジネスパーソンとしては、コロナ後の社会を予想して先回りしておきたいところです。

イベントはオンラインで十分なのか?

あらためて、コロナは人類史上稀に見る社会実験だったと思います。(いまだ進行中)

中でも特に関心の高いテーマの1つが

「イベントはオンラインで十分なのか?」

です。

この1年で相当数のイベントがオンライン開催となり、その中には成功したもの、イマイチだったもの、など様々な結果がでました。

そしてコロナ後はどうなるのか? 

イベントにもよりますが、大まかに分類すると、「リアルに戻る」 or 「オンライン化する」 or 「ハイブリッド化する」のいずれかに分かれそうです。

入社式、セミナー、展示会、結婚式など、それぞれどのように進化するでしょうか?

そこで、イベントをDXする自社プロダクト「eventos」を提供し、東京ゲームショウや東京モーターショー、東京ガールズコレクション等、多くのイベントに関わり(たぶん)日本一イベントを考えているIT起業家として、コロナ後のイベントを予想してみたいと思います。

ちなみに、僕らは2015年から「イベント×DX」を進めてきましたが、コロナ禍で「オンラインイベント」のニーズが急に高まり、問い合わせ数は倍以上に跳ね上がりました。東京ゲームショウ2020は初のオンライン開催となり、eventosでオンライン会場を担当しました。その他にも数多くのオンラインイベントを支援しました。

2020年は誰もが一度はオンラインイベントを体験したのではないでしょうか?イベント業界はDXが遅れていましたが、いきなり5年ぐらい未来にワープした感覚です。

ただし、「これからはすべてがオンラインだ」などと豪語する人もいますがそれは短絡的です。(例えば、20年前ぐらいに「10年後には本屋もテレビもなくなる」と豪語する人もいましたが、意外となくなっていません。)

変わるもの、変わらないもの。グラデーションをイメージし、解像度を上げましょう。

ということで、コロナ後のイベントがどうなるか、僕の予想を発表します。

リアル・オンライン対比マップ

さて、さっそく結論ですが、リアル・オンライン対比マップをつくりました。

(クリックで拡大)


イベントを分類するために、2つの軸を作りました。

縦軸の「↑参加・体験 VS 受動・視聴↓」

縦軸はイベントへの参加スタンスの違いです。

上に行くほど、食事をしたり交流したり、リアルで体験するイベントで、下に行くほど、ただ視聴するだけだったり受身なスタンスで参加するイベントです。

参加・体験型のイベントほど、オンライン化が難しく、リアルで参加したくなります。

例えば、

・手にとったり、食べたりはオンラインではできない(例:肉フェス)。
・議論や交流はやっぱりリアルの方が盛り上がる(例:ビジネス交流会)。

という感じです。

横軸の「←論理・仕事 VS 感情・生活→」

横軸はイベントの目的や性質の違いです。

右に行くほど、感動したり生活に身近なtoC系イベントで、左に行くほど、論理的で、仕事系のtoB系イベントです。

論理・仕事型のイベントほど、オンライン化しやすい傾向があります。

例えば、

・ビジネスの成果がでるならオンラインでも別に構わない(例:説明会)
・合理的に結論が出ればオンラインでも目的は達成できる(例:株主総会)

という感じです。

こうして2つの軸をもとにA,B,C,Dの4つのグループに分類しました。

そしてそれぞれのグループに個人的見解で各イベントをマッピングしました。
(どのイベントがどのグループに属するかは人によって意見が分かれると思います。)

グループA: 「絶対リアル」グループ

グループAは、「参加・体験型」×「感情・生活」のタイプです。

このグループは絶対にリアルで開催したいグループです。

たとえば結婚式。リモートでやろうと思えばできますが、起立して乾杯、写真ラッシュ、ブーケトス、新婦スピーチ等々、リアルで体験する感動は到底オンラインで再現できません。

実際、2020年に↓のイベントは、オンライン開催ではなく「中止」になりました。

肉フェス、フジロックフェス、ねぶた祭り、当社社員の結婚式・・。

グループB: 「リアル+オンライン」グループ

グループBは、「受身・視聴型」×「感情・生活」のタイプです。

このグループは、オンラインでもいいけど、リアルのほうが嬉しいグループです。

2020年のサザンや東京ゲームショウ等のオンラインイベントに参加した人は多く、「意外にオンラインでも楽しめた」という声をよく聞きました。これは新しい発見でした。

でも、「やっぱリアルで参加したい」という声もよく聞きました。他のリアルが皆無だったからオンライン参加したけど、リアルがあるならそっちを選択する、という人は多そうです。「オンラインはリアルを完全には再現できない」ということもはっきりしました。

オンライン vs リアルでは大きく体験価値が違うので、オンラインのチケット代はリアルの半額以下で提供されることが多くてリーズナブルです。そして、世界中どこからでも参加できる。会場キャパ制限が無い、などオンラインならではのメリットもあるので、オンライン参加のニーズはそれはそれで定着すると思います。

グループBの2020年のオンライン開催の事例は↓のとおりです。

サザンライブ:18万人がオンライン視聴(売上6.5億円)。
東京ゲームショウ:公式番組の総視聴数が3160万回(無料)。
東京ガールズコレクション:248万人がオンライン視聴(無料)。

あらゆるこの手のイベントがオンライン開催に挑戦したことは大きかったです。
グループBはコロナ後も基本リアル、そしてオンライン視聴も積極的に、となりそうです。

グループC: 「リアルorオンライン」グループ

グループCは、「参加・体験型」×「論理・仕事」のタイプです。

このグループは基本はリアル、場合によりオンラインでもOKなグループです。

例えば社員総会や記者会見などは、一応オンラインでもできるけど、リアルのほうが盛り上がるし効果も高いので、基本的にはリアルを志向します。

実際、コロナ禍でこのグループは大量にオンライン開催に移行しましたが、オンラインの限界を感じるという声もよく聞きました。

例えばとあるオンライン展示会では下記のような声が上がりました。

主催者の声:参加者は大量に来たがマッチングは少ない。誰が興味ある人かわからない。
出展者の声:ウェビナー視聴は多数あったが、商談には繋がらないし、印象も残らない。
来場者の声:ウェビナーは参考になったが、出展はあまり見ないし、飽きてきた。

このグループはリアルが基本ですが、例えば世界中からリモート参加させたい場合や、台風でリアルが危険な場合など、オンライン開催という選択肢は今後も有効と思います。そして、オンラインでも工夫次第で十分な成果を出すことは可能です。

介護大手のブティックスは365日開催のオンラインイベントCareTEX365をeventosで提供。「新市場の開拓で半年間で1億円の売上見込」という画期的なIRを発表しました。
(2020年11月IRより)

オンラインイベントの可能性を大きく感じる事例です。

リアルは短期開催。オンラインは長期開催とし、別々に扱っているところが特徴です。

グループBとグループCを比較してみると、どちらも「リアルとオンラインのハイブリッド」と言えるものの、その組み合わせ方は大きく違います。

グループBのハイブリッド:リアルを主体に、オンラインでも視聴可能(プロ野球)
グループCのハイブリッド:リアルorオンライン開催どちらかを選択(ビジネス交流会)

このグループは基本リアルに戻るものの、オンラインも織り交ぜる形に進化しそうです。

グループD: 「基本オンライン」グループ

グループDは「受身・視聴型」×「論理・仕事」のタイプです。

このグループはオンラインで十分目的が果たせるグループです。

例えば入社説明会のように、内容理解が主目的で、感動したり交流したりする必要がないイベントは、リアルで開催する意味がありません。

全員がオンラインを体験したコロナ後においては、このグループのイベントをリアルで開催すると、逆にストレスになりそうです。

たとえばセミナーは「見込み顧客を発掘する」という目的があります。そしてその目的を果たすには、リアルよりオンラインの方が効率が良かったりします。

あるセミナー上手な会社は、リアルからオンラインへの切替で↓の変化がありました。

○開催コストが下がった。 →セミナー回数が倍増。
○参加コストが下がった。 →参加者数が3倍に。
△参加者の熱量は薄い。  →商談化率は50%に半減。

◎結果、売上は2〜3倍に増加

リアルに比べて参加者の熱量は低くなるものの、参加者数と開催数が増えるので、結果的に受注を倍増することができました。

このグループはコロナ後も基本オンラインでやり続けるでしょう。

イベントをNew Normalへ

コロナ後のイベントを予想してみましたが、意外とリアルが戻りそうな結果になりました。
また、グループB〜Dのオンライン開催という新市場はコロナ後も拡大しそうです。

最後に強調したいのは、今後は「リアル vs オンライン」という二項対立ではなく、単に「イベントのDXを完遂しよう」ということです。テクノロジーでリアルはもっと便利に出来るし、オンライン開催も日常的に活用しましょう。

「イベントがアナログで不便」

そんな問題意識から2015年にeventosを開発して、イベントのDXを推進してきました。

イベントでよく見る↓のような不便なシーンは、デジタル技術で改善できます。

入場前の大行列
名刺2枚で入場
大きな地図で探すの大変
チラシをもらって袋に→結局捨てる
名刺交換 → ペンでメモ書き

リアルができなかった2020年、イベントDXの可能性は大きく開かれました。誰もがオンラインイベントを体験したこの1年は、イベントDXの起点となる革命的イベントでした。

そしてこの1年、リアルイベントが出来なかったことで、新しい出会いや体を震わせる感動などが減り、「社会の幸せの総量」は大きく減少してしまったと感じませんか?

「人類にイベントは必要である」ということもまた、はっきりした1年だったと思います。

安心してイベントが出来る日常は必ず戻ってきます。

イベントで社会をもっと元気にすべく、我々はテクノロジーを活用していきます。

手伝ってくれるエンジニアやイベンターの皆様、ぜひ当社の門を叩いてください!

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この記事はイベントの役に立つ「eventosブログ」に寄稿予定だったものの、長くなりすぎたのでこちらに掲載することになったのだった笑

菅澤 英司
菅澤 英司
bravesoft CEO&CTO@つよつよエンジニア社長です