結婚式。それは人類共通のシアワセな儀式。民族の文化性がおおいに表出するが、異国の結婚式に参加する機会は少なく、謎に包まれている。そんな2016年末の折、四川省成都にて中国人社員の結婚式に参加させてもらう機会に恵まれたのでここで紹介したい。日本の結婚式と似ているところも結構あって興味深い。
招待状&記念サイト
仕事中に不意に手渡してくれた招待状。律儀に日本語で書いてある。うれしい。ついでに結婚式特設サイトのURLをもらった。手が込んでいる。日本でも結婚式サイトが簡単に作れるサービスが出てきているが、このあたりは世界共通の新しい潮流かもしれない。
結婚式前日に新婦を迎えに行く
結婚式の前日には新婦の実家に新郎が車で迎えに行くイベントがある。新婦の実家では新婦の友人達がいて、新郎のことを邪魔したりいたずらする。なんとも楽しそうなイベントだ笑。
※写真はこちらのブログ記事から引用させて頂いた。
阿艶の結婚式−4 新婦の実家にて
いざ当日!スーツは不要!?
いざ当日、四川省の大都市成都に到着。新郎の地元にある会場は成都からさらに1時間離れた田舎町。その前にスーツに着替えて出発。なるべく旅行の荷物を少なくしたいため、中国人の友人に「成都で結婚式に参加するので当日のジャケットだけ貸して!」とお願いしておいた。そして当日、彼がこころよく手渡してくれたのはこのジャケット・・。
これじゃない!もう時間もないので仕方がないのでそのまま私服で参加したが、実際は新郎以外でスーツを着ている人は誰もいなかった。こちらの結婚式ではスーツは着ないらしい。なるほど固定観念とはこういうことかと気づかされる。
ご祝儀を用意
どうやら中国でもご祝儀は必要らしい。途中のコンビニによってご祝儀袋を調達。30円ほどで買えた。一緒に参加したAくんは600元(1万円程度)を包んだとのこと。金額は偶数のほうが良いらしい。中国の物価を考慮すると、相場感は日本とそう変わらないように感じる。人類共通の相場感があるのだろうか。おもしろい。
会場に到着!
結婚式会場に到着。入り口にオシャレな看板がセットされていて気分が盛り上がる。会場に入ると300人ぐらいいた!中国の結婚式ではこれぐらいの人数が普通のようだ。ちなみに一緒に参加したAくんは、自分の結婚式のときは200万円以上かかったらしい。このあたりの相場感も日本と近いか、もしくはそれ以上かもしれない。
着席したおなじみ中華式の円卓は、同じ会社のメンバーでしめられていた。懐かしい顔もちらほらで楽しい。そして新郎の趣味にともない会場には初音ミクの曲がかかっている。いいのか笑。会場に日本人は1人しかいない。異文化に溶け込めてシアワセな空間。
新郎新婦の入場!
そして新郎新婦が入場してきた!ビシっとしたスーツとウェディングドレスで、西洋風。軽快な曲に合わせてロマンチックに入場してくる。会場は大盛り上がり。
乾杯、ご馳走に白酒
乾杯の挨拶の後、いよいよ宴会が始まった。丸テーブルに次々に中華料理が運ばれてくる。中国では食べきれないほどたくさん置くのがおもてなしである。幾重にも重ねられた豪華な皿が食欲をそそる。その中にはなんと「亀」が!初めて食べたが美味しかった。お酒はもちろん白酒。白酒とは焼酎のようなもので40%を超えてくる強烈なお酒。白酒で乾杯をするのが中国流。新郎の父親がこちらに来てくれて白酒で乾杯したりした。こちらの乾杯は文字通り杯を空にするのが礼儀なので要注意。
そしてスピーチタイム
司会が盛り上げながら知人に次々にスピーチを依頼していく。日本式のような動画やダンスなどの凝った演出はないが、シンプルイズベスト。しっかりお祝いの気持ちが伝わってくる。僕も会社代表として勉強中の中国語で乾杯スピーチをさせてもらった。恐らく日本人を見るのも初めての人が多いなか、簡単な中国語を喋っただけでも大きな拍手をもらえた。
ちなみにこれがスピーチ文
◯原文
女士们,先生们,大家好。
我叫菅泽英司,从东京来。
我代表我们公司全体员工来参加洪小川先生的婚礼。
祝这对新人新婚幸福,白头到老。
并柷大家圣诞快乐!
请大家举起手中的酒杯。
干杯!
◯日本語訳
みなさんこんにちは。
菅澤英司と申します。東京から来ました。
今回、従業員を代表して川さんの結婚式に参加させて頂きました。
みなさん、二人の新婚の幸福をお祝いしましょう。末永い幸せを。
そしてついでにお祝いください。メリークリスマス!
それではお手元のグラスをお持ちください。
乾杯!
当日は偶然にもクリスマスの日だったので、クリスマスもお祝いしておいた笑。
最後に新郎スピーチ
ひと通りのスピーチが終わり料理も食べ尽くしたところで、最後に新郎のスピーチ。会場の盛り上がりも最高潮。
退場中、盛大にお金を巻く!
そして新郎新婦の退場。退場の途中でお年玉袋のようなものを新郎新婦が空高くばらまかれ、みんなで拾うコーナーがあった。楽しそうだ笑。ブーケトスのようなものか。中国ではお祝いに小銭を渡し合う風習が結構ある。そういえば新年のお祝いにwechatというLINEみたいなアプリで数十円もらったりしたこともある。
お色直し+各テーブルで記念撮影+お年玉
退場後に新郎新婦が服装を変えて再登場。中華的な赤い服で可愛らしい。各テーブルを回って記念撮影。そして一人ひとりにお年玉を渡していく。意外に結構うれしい笑。
全体的に日本よりもカジュアルな雰囲気でとても居心地がいい。そういえば日本の結婚式はやや形式的過ぎて、ちょっと堅苦しいところもある。一生に一回で失敗できず保守的になりがちだが、最近は新しいスタイルを提案するクレイジーウェディングという会社も出てきていて注目。
流れ解散!?
記念撮影も終わり歓談しているうちに周りを見渡すと、周りのテーブルはもう帰っている。なるほど流れ解散か。ちょっと寂しい気もしつつ現地を跡に成都へ。良い一日だった。
まとめ:結婚式は面白い
あっという間だったが良い結婚式だった。結婚式とは不思議なもので、国が決めた制度という訳でもないし、主導している機関がある訳でもないが、なんとなくのお約束がある。民族性がよく表れるし、それは参加してみないと分からない。そしてなぜかどの国もちょっと似ている。どちらかが真似をしたのだろうか?偶然の一致だろうか?数千キロ離れた異国の地で想像はふくらむ。時間があればじっくり研究してみたいところだ。いずれにせよ人類共通のシアワセなイベントで、合理化の時代にあっても大切にされ続けるだろう。異国の結婚式に参加する人がもっと増えるといいなと思いながら、もう数え切れないほど慣れ親しんだ成都の空港を飛び立った。
最後に、かわさん結婚おめでとう!