本日のGrowth by CaseStudyは、ベネッセコーポレーション様が提供する2019年12月にリリースのアプリStudyCastに関しまして、リリース後の運用・グロースを重点的にお話いただいた事例のご紹介となります。

今回、”StudyCast”アプリを提供する株式会社ベネッセコーポレーション、開発責任者の永田様、開発リーダーの石田様と、弊社bravesoftでアプリ開発部門の責任者のシングロース開発部門の責任者の阿部の4名で座談会形式でインタビューを行い、StudyCastアプリの開発エピソードから今日に至るまでを「グロース」を軸に振り返っていただきました。

 

開発責任者 永田様

 

開発リーダー 石田様

 

 

受け入れられるか不安も、コロナ禍でサービスが劇的に飛躍

ー 本日はお忙しい中、インタビューに応じていただきまして誠にありがとうございます。まずは今回のインタビューでお話いただく”StudyCast”とは、どのようなアプリであるかをご紹介お願いします。

石田様「StudyCastは中高生向けの学習管理アプリでして、オンラインで友だちと一緒に勉強ができたり、勉強記録を蓄積することができるアプリでございます」

ー どのような目的で、本アプリは誕生したのでしょうか?

石田様「弊社が提供する”進研ゼミ”は有料ですが、無料で中学生・高校生の学習をサポートできるサービスを検討しておりました。中学生・高校生のスマートフォン所有率も増えておりましたので、アプリでそのようなサービスができないかと思ったのが、始まりでしたね」

ー アプリリリースまでの苦労談など、印象に残っているエピソードがあればお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

永田様「このプロジェクトは会社からのオーダーではなく、有志で取り組んだプロジェクトでした。開発当時の顧客ニーズは大きくなかったのですが、今後流行るであろうと信じて開発していました。それでも、”本当に受け入れられるのか”はちょっと心配でした笑」

ー bravesoftサイドでは開発に関して、苦労したエピソードなどはありましたか?

シン「今回はオンライン動画通話で他社のサービスを使用したのですが、初めて使用するサービスでしたのでそこでのやり取りは難航しました。その中で、その企業との契約に関しては石田様にうまく調整していただき、そこからスムーズに開発することが可能となりました」

ー そうして2019年12月にStadyCastが正式にリリースされたのですが、リリース後の反響などはいかがでしたでしょうか?

永田様「このアプリがリリースされた当時は、オンラインで友だちと学習する文化はさほど無かったのですが、一部の熱狂的なファンの方に支えてもらえました。その後、ユーザーも徐々に積み上がっていきましたね」

石田様「シンさんに、キャスト(1回あたりの勉強を表す単位)の増加に関してのログデータを週次で、”今週はこれくらい増えましたよ”と頂いていたのですが、自分が予想していた以上に多くの方に使用していただけましたね」

ー そうしてリリースからわずか3ヶ月後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン学習という需要は劇的に増加したと思われますが、その時期のエピソードをお聞かせいただけますでしょうか?

永田様「コロナの影響で、教育に関わる方々のさまざまな課題を解消できたと思っています。メディアでも“コロナ禍でも学習できるツール”ということで扱っていただき、2020年2月までは7,000ダウンロードくらいだったのですが、3月で15,000ダウンロード4月で40,000ダウンロードと一気に伸ばすことが実現できました」

ー そのタイミングで、本アプリのグロース担当として阿部さんがアサインされる運びとなりましたが、当時の印象はどうでしたか?

阿部「アプリのリリースを最優先で行っておりましたので、まだ細かなバグなどが残っておりましたので、まずはその修正をメインで行っておりました。その中でクラッシュ回避の為のツールの導入であったり、backlogなどプロジェクト管理の見直しなどを中心に行っておりましたね」

 

 

ユーザー増加を目指した各種施策を実施

ー ここからはテーマを変更しまして、”ユーザーをいかに増やしていったか”というアプリ運用、グロース施策に関してお聞かせいただきたいと思います。アプリの宣伝、プロモーションに関してはどのような手法を行なったのでしょうか

永田様「進研ゼミの会員だけでなく、すべての中高生に使っていただきたかったので、同年代のインフルエンサーの方にサービスを盛り上げていただき、多くのファンの獲得に成功しました」
※ 2021年9月に実施のコラボ企画はコチラ 

石田様「インフルエンサーのファンの方がStudyCastを知り、実際に使用していただくケースもあれば、StudyCastとコラボしたきっかけでインフルエンサーのファンが伸びたりと、一緒に成長することができたのはとても印象に残っております」

ー インフルエンサーの方とのコラボイベントにおいては、bravesoft側ではどのような関わりをしたのでしょうか?

阿部「やはりアクセスが集中しますので、その時期にサーバーがダウンしないような負荷対策は常に意識しています。正直、開催当初は思ったより参加人数が多いことなのでアクセスができにくくなったりご迷惑をお掛けするケースもあったのですが・・・今は安定して開催できております」

ー イベント以外で新規ユーザー獲得や、ユーザーの離脱を防ぐために講じた施策などがあればお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

石田様「元々はオンラインで普段の友だちと一緒に勉強をする趣旨でスタートしたサービスでしたが、コロナの影響もあり、“リアルの友だちだけではなく、共にサービスを利用する顔の知らない人と繋がりたい需要もあるのではないか?”と仮説を立て、リアルの友だち以外の「全国の仲間」と一緒に勉強できる機能を開発した結果、実際に多くの繋がりを生むことができました」

永田様「同じ趣味を持つキャスト同士とか、同じ志望校を目指すキャスト同士で一緒に勉強できる取り組みなどは、新しい価値観を生み出せたと思っております」

ー 尚、StudyCastのランディングページなどを見ると「1日あたりの勉強時間が73分伸びた」などの調査結果がございましたが、これはどのような点が理由とお考えでしょうか?

石田様他の人と一緒に勉強することで、長く続けられるという理由や、勉強の結果がグラフで可視化されるので、視覚的にも楽しいという理由、更にはインフルエンサーと一緒に勉強したいと思っていただいた理由など、色々な要因があると思っております」

ー 「92.1%のユーザーのやる気が上がった」という調査結果もございます。

石田様「やはり1人で勉強するのは限界がありますので、一緒に勉強する友だちがいることがやる気向上にも繋がったと考えております」

ー bravesoft側で新規ユーザー獲得やユーザー離脱を回避すべく、取り組んだ事例はありますでしょうか

阿部「グロース開発における新規ユーザー獲得の観点で言うと、ASO対策などは適宜相談させていただき、最適なキーワードを一緒に考えていきました。また、アプリのUIの変更などでもユーザーが伸びたことは個人としては非常に印象に残っていますね」

ー 総じて、ベネッセ様でユーザーの新規獲得を行い、bravesoft側でユーザー離脱を防ぐ為の満足度向上を行い、今日のStudyCastがあると言うことですね。

永田様「そうですね、そういう関係で取り組めていると思っております」

 

 

 

全員が「アプリをよくしてきたい」思いを持つチームを実現

ー 現在、定例MTGなどはどのような頻度で行っているのでしょうか?

シン毎日行っております。ベネッセ様のメンバーと、我々日本メンバー、そして開発を行う我々の子会社bravesoft Vietnamのメンバーと、プロジェクトに関わる全員が参加しております」

ー 週に1度くらいと考えていたので、毎日と言うのは予想外の回答でした(笑)

石田様「週に1度実施していた時期や、毎日朝夕と実施していた時期もあり、色々試して現在は毎日となりました」

ー オフショア開発先のエンジニアとの直接対話をするプロジェクトなどは、あまり無いやり取りと思われますが、石田様はどうお考えでしょうか?

石田様「直接、フラットに対話できることはやりやすいですね。直接話すことでベトナムの学習習慣などを知ることもできますし、それを企画に反映させることもできたりしています」

ー 少し話が逸れてしまうのですが、ベトナムの学習習慣を企画に反映など、本アプリの世界展開なども考えているのでしょうか?

永田様「企画当初から、世界展開したいという想いはあります。実はStudyCastをリリースした翌月の2020年1月に、イギリスで開催される世界最大級の教育イベントBETT2020が開催され、そこにStudyCastを持っていったんです。リリース後1ヶ月でシンさんに頼んで英語版を作っていただき(笑)」

ー (笑)

永田様「他国は、日本ほど学習へのモチベーションに課題がないため、サービスコンセプトが上手く伝わらないこともあったのですが、会場に訪れていたイギリスの子どもからは”こういうサービスがあれば頑張れるかも”という意見もあり、いつか世界展開に挑戦したいな、と考えています」

ー 素晴らしいエピソードですね。海外進出、是非応援させていただきたいと思います。話を戻しまして、このようなクライアント、bravesoft社員、オフショア開発メンバーの3社がMTGを行うメリットをシンさんはどう考えますか?

シン「現地エンジニアとクライアントとの距離が近くなることは非常に効果があったと思っております。結果、“このアプリは我々が開発している”という責任感も生まれ、スタキャスを良くして行く為のアイデアも現地のエンジニアから出てきたりもしていますよ」

石田様「開発視点での提案をいただけますので、多く参考にさせていただいております。やはり開発者の顔が見えるので、検討から実装までのスピードを上げられることも非常に良いと思っています」

永田様「サービスを伸ばす上ではワンチームになることが重要であり、チームは人数よりも多様性が重要とも考えております。色々な価値観を持つ人と出会うことで、人は成長することができるので、結果的にこの関係性は非常に良いと思っております」

ー 嬉しいご意見ありがとうございます!

 

 

学べば学ぶほど、世界は広がる

ー それでは最後に、StudyCastで今後実現したい展望をお聞かせいただけますでしょうか?

阿部「ものづくりの一員として、自分が携わったアプリが多くの人に使われることには非常にやりがいを感じます。StudyCastはまだまだ伸ばせるアプリと思っておりますので、チームで一丸となって更にグロースさせていきたいですね」

シン「StudyCastアプリをチーム全員で伸ばしていくことはもちろんですが、私個人は元々教師になりたかった夢もあり、教育業界には思い入れは非常にありますので、StudyCastで学習して学力を伸ばしたという方を多く増やし、教育業界に貢献したいですね」

石田様「今直近で実現したいことは、コミュニティーの質を上げることと考えてますが、中長期でいうと“学習のプラットフォーム”を目指したいと思っています。授業の学習に加えて、企業で働く人の話を聞ける環境を用意するなどを行い、将来やりたいことがスタキャスで見つかるなどの世界を作っていきたいですね」

永田様「チーム結成当初から私が言い続けているビジョンがあるのですが、“学べば学ぶほど世界は広がる”と思っております。リアルな友だちだけでなく、同じ志望校を目指す仲間や、世界中の人と繋がり、そして、その先に、実際に世界が広がるような体験をお届けしたいと思っています」

ー ありがとうございました!

 

StudyCast アプリ紹介

「StudyCast(スタキャス)」は記録して勉強を楽しむベネッセコーポレーション様の自習室アプリとなります。

【主な機能・特徴】
・ 自分の部屋にいながら、友だちと一緒に勉強できる
・ 2~4人で友だちと勉強部屋を作成できる
・ 「15分×3セット」の集中学習メソッド
わからないことをその場で教え合える

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