どうもこんにちは。bravesoftのサービスであるeventosの責任者をしている清田です。先日、こちらの記事でeventosの開発裏話のようなことを取り上げてもらいましたが、サービス立ち上げから3年が経過してそれなりに色々なことを学んできました。

そこで、もし自分がまた新たに1からサービスを立ち上げるとしたら、これは絶対に気を付けたいポイントを5つにまとめました。これから新規事業を立ち上げようとしている方や、今まさに悩んでいる方の助けになれれば嬉しいです。

 

  1. ビジョンの言語化
  2. マーケティング
  3. 全てをやり切る覚悟
  4. コーチングスキル
  5. 意図をもった事実の可視化
  6. 番外編

 

1.ビジョンの言語化

まず何よりも大事なことは、これから立ち上げる事業のビジョンを自分なりの言葉で表現できることです。ビジョンを言語化するといっても抽象的なので、もう少し具体的にいうと、

 

・この事業をなぜ立ち上げるのか?

・この事業によって、誰にどのような幸せを届けられるのか?

 

ざっくりとこの2点ですが、さらにもう一つ大事なことは、そのビジョンが自分にとって最高にわくわくするビジョンかどうか。わくわくさせるためのコツは、スケールを大きくすること。「日本で初めて〇〇を実現する」「世界でもっとも〇〇なサービスにする」などのようにすることです。

例えばeventosにおけるビジョンは「eventech革命」です。FinTechやAdTech、EdTechなど、既存の産業をテクノロジーの力でゲームチェンジすることが多々ありますが、イベント業界にはまだその現象が起きていません(正確にはzoomやオンラインイベントの台頭などによって今現在進行中だと思います)。イベントにDXをもたらし、イベントのあり方を変え、世界中の人々がイベントによって生活がアップデートされる、そういった世界をeventechによって作り上げたいと思っています。

事業を立ち上げると、開発・販売・チームワークなどで様々な困難にぶつかると思います。こうした場面で成し遂げなければいけないことを、ぶらさずに実行するためにはわかりやすい言葉でビジョンを言葉にし、チームに共有することが何よりも大事だと考えます。

 

2.マーケティング

当然大事ですね。私自身もマーケティングの専門家ではないので偉そうなことは言えません。ただ、必ず意識しているのは、「誰に」「どのような価値」を届けているかです。よくある失敗として

・とりあえず作ってAppStoreにのせれば、売れるはず

・なんとなくgoogle広告をいろいろ出してPDCAを回した感じにする

のようなことがあります。前者は、単なる独りよがりで終わってしまうケースが多く、欲しい人が不在や、サービスの価値が定まっていないことがあります。後者は、どのように伝えるか、が先行してしまっており、誰に何を届けるのかを見失ってしまっています。

特に開発系の会社で陥りがちな罠だと思うので、ぜひビジョンと同じく、誰に何を届けるのかを明確にしましょう。

 

3.すべてをやり切る覚悟

いざ仲間が5人くらいに増えてくると、リーダーが関与せずともある程度ことが進むようになってきます。その流れに身をゆだね、仲間に仕事を任せていると徐々に具体的な内容から取り残され、把握できない状況がでてきます。

もちろん、1人では捌けない量の作業や、自分にはないスキルを助けてもらうために仲間は必要です。だからといって、仲間に丸投げし、報告だけ受け取っているといつの間にか事業は自分ごとから他人事に変わり、自分で何とかして推進していくものから、仲間を何となくコントロールすることが目的になるでしょう。

潤沢な資金とスケジュールがあり、競合も不在であれば、上記のような状況でも特に問題ありません。ですが新規事業立ち上げにおいてそのようなことはほぼ皆無です。人が何人であろうと、50人に増えようが自分1人だろうが、どこで何が起こっているかを把握し、どうあるべきかを絶えず考え、そうなっていないのであれば、徹底的に対策をうちましょう。

そして、もし一部のマネージメントを他人に任せる場合、そのマネージャーとはとことんビジョンや価値観、マネージメント手法について話し合い、自分と同じだけの覚悟を持ってもらうことが重要だと思います。

 

4.コーチングスキル

チームマネージメントをしていると、1on1でメンバーと会話を定期的に設けることになると思います(設けていないとしたら、まず最低でも月一で設けましょう)。その中で、ティーチングとコーチングを明確に使い分けることがとても大事だと考えています。

ティーチングとは、先生が生徒に授業をするかの如く、仕事の進め方や考え方について指導を行うこと、一方通行のコミュニケーションです。新人や、業界が初めての人に対しては重要ですが、ある程度練度のある相手に対してティーチングを行うことは、逆に相手を信頼しきっていないことを表してしまうこともあります。

一方、コーチングを実行する場合、私が特にイメージしているのは相手の引き出しを開けていく感覚です。ティーチングが自分の経験や知識、スキルといった引き出しを開けて相手に詰め込む作業だとしたら、コーチングは今まで相手が気づいていなかった引き出しを会話によって協力して開いていき、宝探しをしていきます。

メンバーが何かについてネガティブに思っているとき、なぜそう思っているのか、ゆっくりと、相手の言葉をしっかりと理解しながら聞き出すことに集中し、深く掘り下げていくことで思いもよらない原因や課題にたどり着くことがあります。

改めて自分が行っている面談はこれまでティーチングとコーチングのどちらを行っているのか、今のメンバーにはどちらを実施すべきか、仲間の中に眠っている宝をちゃんと探し当てられているか、ぜひしっかりと振り返ってみてください。

 

5.意図をもった事実の可視化

皆さんの事業でも、売上や利益、KGI・KPIをSFA、エクセルなどで表現していると思います。ここで失敗しがちなのが、とにかくあらゆる事柄を数字に落とし、グラフを並べ、羅列したレポートを作成することです。原則として、事業をしているとあらゆる数値に囲まれるので、数値への落とし込みのパターンは無限にあります。

かくいう私も、数字が大好きなので今まで見えていなかったことを数字に落とし込む作業は大好きで、とにかく分析分析を繰り返していました。作成している途中では色々考えて作ったものの、一晩明けて改めて見てみると、意味のない数字の羅列になってしまっていたことはよくあります。

可視化で大事なことは、何を目的として、誰に見てもらいたいか、そして何を言いたいかです。それによって、どのように表現するかが決まってきます。例えば、開発者に対してスケジュールやコストを守ることが何よりも大事と考えるのであれば、一人一人の生産性と1日のゴールを可視化、どのようにして期日を守るかに特化した可視化になるかもしれません。

もしくは、チームの考えがバラバラなことを解決したいのであれば、自分含めメンバーそれぞれの想いを毎週・毎日可視化することも、事実の可視化につながります。それによって、メンバー通しの会話に変化を産み出し、想いを整えていくことにもつながっていきます。この場合でも、なぜ可視化するのか、どういうメッセージをリーダーとして伝えたいのかを意図的に産み出すことが重要です。

いずれにせよ、私はリーダーが何を考え、メンバーにどのようにしてほしいのかを明確に伝えることはとても重要なことだと思います。事実を可視化することは一見してとてもドライな作業に感じられますが、その裏には必ず伝えたい想いを込めるようにしましょう。

 

以上、自社サービス開発のマネージメントに大事な5つのこととしてお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?我ながら偉そうにリストアップしましたが、正直なところそれぞれ自分自身の失敗談がベースとなっています。ビジョンを碌に言語化できないまま走り出し、誰に売るのかわからないままメンバーにティーチング、チームには数値の羅列を見せつけたりと、我ながらよくここまで皆ついてきてくれたなと思います。

大事なことは、最後まで絶対にあきらめないこと。どれだけ周りが呆れようが、1勝すれば世界を変えられます。失敗を受け止め、傲慢に勝ちにこだわる姿勢をもって世界を変えていきましょう!

 

番外編:サウナ

これはもう言わずもがなですね。今更毎週サウナにいっていない人はいないと思うので、あまり細かいことは書きません。日々仕事をしていると、余計な雑念がどんどんたまるので、サウナに限らず自分なりに心を強制的にリフレッシュできる方法を見つけましょう。まだサウナに通っていない人は、ぜひオリラジ藤森さんのyoutubeをご覧ください!

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