オフショア開発の失敗要因

はじめ

初めまして、GGユニットのシンと申します。bravesoftにてベトナムオフショア開発チームに配属して、メインとしてベトナム側の開発拠点とのプロジェクトに関わっています。
皆さまご存知かと思いますが、日本の社会問題は少子高齢化問題です。それは日本の経済に大きなインパクト与えつつあります。このような人材不足の中、アウトソーシングの活用は注目されていて、特にオフショア開発は非常に重要となっています。
しかし、文化やコミュニケーションの習慣は違いがあるので、失敗することも多々あります。
早い段階に課題を見つけ、先に解決しておく事が大切かと思いますので、ベトナム人として、ベトナムとのオフショア開発の観点でいくつかの失敗要因を紹介したいと思います。

前提として、まず理解していただきたいのは、文化の違いによる価値観を同じにすることは非常に難しいということです。
ビジネスを成功させるために、お互いにフィードバックは当然しますが、そう簡単には同じにはなりません。だからといって「ダメ」というのではなく、差を理解した上で対処をしながら進めることがオフショア開発での成功のキーとなります。
そのために、キーパーソンとなるブリッジSE(以下、BrSE)がbravesoftではどのように動いているかを紹介します。

オフショア開発での失敗要因

 

・スピード感の認識の違い

日本人と比較してですが、ベトナム側のチームは反応が遅くて、緊急度を感じないことが多いです。
特に日本側のチームの確認が遅くなった場合です。例えば、仕様確認において日本側から1週間経っても回答がなければ、それは急ぎではない案件なのだな、と思うチームが多いです。
その場合、ベトナム側では待ち時間が発生するので、遅ければ遅いほど案件全体への影響が大きくなります。
最終的に大きな問題になる可能性もあります。

この問題の解決する役割はBrSEで、早めの確認依頼や期日を守ることをちゃんと日本側のチームにもプッシュすべきです。現在、案件を回す際に、bravesoftでのオフショア開発を担当しているBrSEはこのようなことを意識し、マストスキルとして要求されます。
ベトナム側のチームの意識も高めつつ、案件の進行のコントロールも行っています。

 

・決定した事に対する再調整の難しさ

これはよくあることだと思います。日本側とベトナム側の打ち合わせで決まったプランなどを調整する際に非常に時間がかかります。
日本側は「なぜ打ち合わせの際にすぐにフィードバックしないのか」と感じると思いますが、実にこれは文化の違いやコミュニケーションの問題です。
打ち合わせの際に納得していないことがある場合はすぐに相談するべきですが、日本語ですとロジック的に説明が非常に難しいですし、またベトナムの学校教育は基本的に肯定的思考であり、反論の文化は教えられてこなかった事もあり、すぐにフィードバックする事は難しいと思います。
それに対し、bravesoftでのBrSEはすごく理解に長けており、日本側とベトナム側を調整するよう上手くコミュニケーションをとっています。
またベトナムオフショア開発チームは全員、エンジニア出身なので、ロジックで考え、明確化できるように、様々なプロセスなどを作ってきました。

 

・「このアプリみたいに」トラップ!

これも多いかもしれません。依頼側が技術慣れしていない場合、「このアプリはこのような技術を用いて作ってください」と明確にすることは難しいですよね。なので、「このアプリみたいに作ってもらいたい」という要望が多いです。そして、仕様をしっかり握らずにアプリ開発に取り掛かってしまうケースがあります。しかし進行中に要望がどんどん来て、結果アプリの一貫性や設計はバラバラになってしまいます。さらに「このアプリみたいに」という言葉はそもそも曖昧な言葉なので、調査不足なども発生しやすいです。
bravesoftでもこういうご依頼も結構あります。そのような場合、bravesoftではUX設計段階から明確にお客様へ提案を行っています。またBrSEの人々は元々多くのアプリ経験を積んでいて、テクニカルな問題も早い段階で見つける事が可能なので、開発側含めて調査を行い、より良いソリューションを提案する事ができます。さらに開発側でデモアプリを実装し、お客様へ実際のアプリの動作感を先にお見せしています。それにより、良い方向性を決めていく事ができます。

 

・小さい修正に時間がかかる

これはよくある問題だと思います。小さい修正で通常数時間程度くらい終わる見込みのものが2日がかかったりします。この問題の原因は主に2つあると思います。
・(1)ベトナム側のチームの信頼感が薄い
・(2)システムの拡張性が少ない
(1)に関して、ベトナム側のチームへの信頼感が薄い、というのがあると思います。なので、製品をあげてくる前にベトナム側でしっかり確認する必要があります。ベトナム側は間違いのないように念入りにチェックするので、それに時間がかかります。非常に細かい部分でも確認をします。なので結果的にかなり時間がかかってしまう、という事です。
それに対しbravesoftのBrSEは、そこをちゃんと意識し、架け橋として調整を行っています。問題の解決が一番優先すべき事なので時々怒ることも必要です。また開発側からもよく提案を挙げられるよう、よく褒めています。チーム全体の一番大切な目的は、案件の成功なのです。
(2)に関しては、仕様の理解不足など、日本側のお客様の期待を理解できない場合はよく発生すると思います。bravesoftでは、UX段階からの提案時に技術力のあるBrSEも参加し、お客様へより明確な仕様が提案できるように進めています。開発側の設計(データベースなど)もしっかりとレビューして、システムの拡張性また保守性を守っていきます。

まとめ

オフショア開発では当たり前ですが、文化違いや、コミュニケーションミスにより色々な課題が発生すると思います。bravesoftでは多くの案件に携わる中で、失敗に繋がる原因を早段階で解決してきました。また案件成功への強いマインドもBrSEのマストスキルとされていて、案件を成功させるのはBrSEの一番大事なミッションです。私たちは、ただ製品を作るだけではなく、作ったものでお客様のビジネスへ最大限貢献できたらと思っておりますので、ぜひご興味がございましたら、お問い合わせください。

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